2015年1月31日土曜日

ゴミ捨てのこと。

わたしが普段住んでいる首都ティンプーでは、週に数回ゴミ収集車がくるので、ゴミ収集車が来た時にゴミを持って出て収集車に回収してもらいます。今まではだいたい月・木・土、時間はまちまち。平日は出勤した後に収集車がくるので基本的に出すことは出来ず土曜日にまとめて出しています。どうしてもゴミが多くなってしまった時などにだけアパートの一階にあるなんでも屋さんのアマ(お母さん)にお願いして出してもらっていました。

そんなゴミ出し任務がある土曜日。なかなか来ないなぁ~なんて思っていたけれど、お昼前にゴミ収集車がやってきました。ゴミ収集車は日本から寄付を受けたパッカード車。それぞれの建物の前に来て止まった時にクラクションやサイレンを鳴らします。それを合図に皆がゴミを持って降りてきます。週に一回、この時はご近所さんとも会うことが出来るので立ち話にも花が咲きます。

今日はいつもよりも遅いよね…なんて話しつつ停まったゴミ収集車にゴミを積み込もうとすると、回収係のお兄さんが『今日は生ごみだけだから』と一言ぽつんとつぶやいた。
生ごみだけ??ブータンでは基本的に燃えるものの燃えないものもビンも缶も乾電池も生ごみもプラスチックもすべて一緒(一部のペットボトルは分別しています)。焼却施設はないので、ティンプーのはずれでまとめて集積しています。そんな状態だったはずなのに『生ごみだけ』ってどういうこと?っていうか、そんなこと知らなかったから、もう袋の中でごちゃごちゃに混ざっちゃってんだけど…

戸惑っているのはわたしだけでなくみんながみんな??という感じ。『これ、どうすればいいの?』と聞いてみると『そこに置いてけ』と言われたのでその通りに従うことに。

英語の話せるご近所さんに『いつからこうなったの?生ごみ以外はいつ来てくれるの?紙ゴミは?ビンや缶はどうするの?』と聞いてみたが誰も知らないと。その場でご近所さん達が収集車の人に質問してくれてようやく状況が見えてきた。

間違ってるかもしれないけど今の時点でわかったこととして…どうやらティンプー市役所が土曜日の生ごみだけは自身で回収を行い、その他の資源ごみについては外注に出したらしい。とはいえ、資源ごみの回収とは言ったって、紙ゴミやプラスチック瓶や缶はすべて今まで通りごちゃ混ぜでいいらしいんだけど…

うちの地域は土曜と火曜が生ごみの日で、木曜がその他のごみの日になったらしい。

ご近所さんは共働きが多いので、それじゃぁ困るよね…と困惑気味。1階のなんでも屋さんのアマ(お母さん)には申し訳ないけれど、これから平日にはお願いしなきゃいけないよねぇ…と。アマは優しいので引き受けるわよと言ってくれたが、22世帯も入っているこのアパートでみんなが頼んだらすっごい量になっちゃうと思うのよね。同じくらいの規模の隣のアパートの人だって頼むだろうし。

ゴミの分別はとても良いことだと思うし日本だと普通だし、ブータンのゴミ出しシステムとして分別していないとはいえ大雑把には分けて袋に入れてだしていたんだけれど、今後どうやって回収してもらおうか?どうしようか?とちょっと戸惑った土曜日でした。

2015年1月25日日曜日

予防接種。

24日、25日と職場のいろいろがあって休日出勤したり、会食が続いたりしていました。

そんな時、同じ省庁のエライ人に『なにか変わったことないの?』と尋ねられた。なにもありませんよ~毎日淡々と過ごしてますよ~と言おうとしてふと思い出した。わたしの生活はねこちゃんによって大きく変わったじゃないか!『ねこちゃんと暮らしはじめたんです、ちょうかわいいんです!もうめろめろ!』

携帯を取り出しねこちゃんの写メを見せるわたし。子どもやペットの写真を見せまくる友人たちの気持ちが今、わかったわ(笑)
寝てても起きててもかわいい!
『やんちゃだから引っかかれたりもしちゃうんですけれど、かわいいから許しちゃう。うふふ』なんて言っていると、真顔でこう言われた『破傷風の注射、打った?打ったほうがいいよ、もとは野良猫でしょ?なにがあるかわからないんだし』

えっ?破傷風って犬や猫に噛まれた時に狂犬病の注射と一緒に打つものじゃないの?

今更ながらびびるわたし。2011年の秋頃に犬に噛まれたのを最後に、狂犬病も破傷風も打ってないから抗体はもうないかも…あんな痛い注射、また打たなきゃなの?嘘でしょ?誰か嘘だと言ってくれ…そんなことを思いながらも1月の上旬から引っかかれてるんだから今更ムダじゃない?と冷静になってみたり…

とりあえずその日は普通に帰宅。自宅に帰ってウィキペディア先生に尋ねてみることに。

うぅんややこしい。どうやらわたしの抗体は生きていそうだけれど、打ちすぎてもダメとか言ってるし、今更手遅れっぽいしどうしようかなぁ~。迷いに迷ったけれど、もしも感染したら致死率が高いみたいだしブータンのルールに従ってみようかな、ここブータンだし。というわけで、翌日にブータン人に聞きまくって多数決をとってどうするか決めることに。

若い人を除いて殆どの人が『打ったほうがいいよ』というので、今更かなぁ…と疑いつつも仕事が終わった後に同僚がついてきてくれて病院へ。

『猫に引っかかれたから破傷風の注射、打ちに来たんだけれど』と伝えると、先生は『オッケー。野良猫?家猫?いつ引っかかれたの?』と当たり前の質問。『もと野良猫だけれど、今は飼い猫なので毎日引っかかれてます』と答えると、その場でもうムダじゃない?という空気を醸し出しながら『まぁ打っとこうか』とぽつりとひとこと。ぷすっと打ってもらいました。

『結構痛む可能性があるから痛み止めを出しておくね』とのお医者さんの言葉に同僚が『これってすごい痛むってことじゃない?かわいそうに』と。打ってしまった後なのにまたびびるわたし。

…確かに2日ほど鈍く、でもかなり強めに痛みました。

習い事。

実は10月半ばから1月上旬まで、こっそりひっそりと語学を習っていました。ブータンには習い事の習慣がないので何かを習うのはまず先生を探すところから始めなければなりませんが、今回は政府機関であるゾンカ普及委員会(Dzongkha Development Commission)というところが、短期で無料レッスンをすると新聞でアナウンス。それに募集したので、簡単に始めることが出来ました。

もともとは二クラス『外国人向けのゾンカ(ブータンの国語)』と『ブータン人向けのチョケ(古典チベット語)』を計画していたようですが、いろいろあったらしく『チョケ(古典チベット語)』だけ行われることになったようで、10月上旬、クラスが始まる直前にゾンカ普及委員会から『古典チベット語しかやらないけどどうする?参加する?参加しない?あなたの好きでどっちでもいいわよ』との連絡が。随分ひどい連絡だな…とは思ったものの、ブータンでは11月から冬時間で仕事は16時までになるから夜は長いし、せっかくのチャンスなので参加することに。

この授業は基本的に週2回。
出張の多いわたしにはどこまで授業に参加出来るかわからなかったし、なんたって文字は読むことの出来るブータン人生徒がほとんどの中で、文字を一から覚えるのはわたしひとり。三日坊主なわたしは途中脱落してしまうかも…と弱気だったので誰にも伝えずに習っていました。運良くわたし以外の日本人が2名参加していたので、ふたりの励ましもあって最後まで頑張れた気がします。ちなみにふたりはゾンカ語やチベット語を習っていたので読み書きは出来る状態で、わたしとはスタート地点が違いました。

結局、3分の1弱のクラスは欠席せざるを得ませんでしたがなんとか終了。最終日も出張で出ることが出来ず、終了証も人伝で受け取る有様でしたが、ブータンで古典チベット語を習うという貴重な機会を楽しめました。とはいえ、まだまだなので自習が必要ですが、少しづつでも続けていきたい…な。三日坊主なので自信ないけど…
修了証。表がゾンカ、裏が英語で書かれています

こういったことは出張も多く参加し難いと今まで敬遠していましたが、何とかなるもんだなぁ~と(笑)またチャンスがあれば参加させてもらおうと思います。

2015年1月21日水曜日

Traditional Day of Offering


1月21日、ブータンではトラディショナル・デー・オブ・オファーリングをいう祭日で仕事がお休みでした。この祭日はチューニッパ・ロサともいわれ、ブータン東部の人たちの新年として東部の人々の間で新年が祝われ、ブータンの暦の新年(ロサ)の約1ヶ月前に設定されています。ブータンの新年は当然ブータン暦によって決められていますので、この日も毎年日付が変わります。

わたしの職場では東部出身の人が多めですが、親戚で集まってお祝いをしたりするのかと尋ねるとそうでもなさそうな答えばかり。冬は湯治をしに温泉に篭ったり、インドに聖地巡礼に出掛けてしまったりする人が多いので、ロサだけは皆で祝うけれどチューニッパ・ロサは集まらないことにしたとも。

西部出身の同僚たちはとてもあっさり『うちの家族にとっては普通の週末と一緒よ』と。


他人のお祝いであるクリスマスもハローウィンも、何もかんもごっちゃ混ぜで楽しんでしまう日本人だったら、絶対にこんな事言わないで『なんたって、お祝いだから』を免罪符に楽しんじゃうんだろうけれど、ブータンでは『他人は他人、うちはうち』がはっきりしている気がします。

2015年1月17日土曜日

National Animal Hospital, Thimphu

ねこちゃんとティンプーの自宅で同居を始めて1週間。ようやく時間が取れたのでティンプーにある動物病院へ行ってきました。動物病院はティンプーの街からあまり離れていない、野菜市場の近くにある為のんびり歩いて出掛けることに。事前にキャリーバックの代わりにする用の買い物かごは用意してあるし、ねこちゃんはそのかごに入るのが嫌いじゃないみたいだし、きっと問題ないわ大丈夫☆というわけで、ティンプーのおうちに来てから初めてのお出掛け。

思ったよりもかごが小さかった。っていうか、思ったよりも育ってる?

途中のスーパーで猫用グッズが何かないかと確認…ペットグッズ・フードコーナーには先客がいて、ラブラドールっぽい子犬を抱えた女の子のふたり組み。ブータンではまだキャリーバッグは普及していないのでたいていの子犬は手で抱えて運ばれています。

たいしたものはない様だし、かごの中のねこちゃんはラブラドールに毛を逆立てて警戒しているので早々に引き上げ。にゃーにゃーと鳴くかごに語りかけながら買い物を続ける不審な外国人。そんなところを日本人の知人に見られたりしつつ、ねこちゃん自慢したりもしつつ動物病院へ。

国立動物病院。なかなか立派な看板です
 
なかなか立派な建物でもあります

中に入ると患畜さんは犬しか見られませんでした。みな何かの血統書とかがついていそうな感じのわんちゃんばかりです。ここでも、ほとんどのわんちゃんは抱えられているだけでリードもつけられていない状態。まぁ子犬が多かったし、大きい犬はリードがつけられていたからブータン的には問題がないんだろうと思われます。日本だったらきっと大問題。

誰に話しかければいいのかわからないので、適当な人に話しかけると外で手当てをしている先生を教えてくれ、その先生は慌しく受付の人を紹介してくれて、無事に受付が出来ることに。普通は抱えてきたりしているので何の動物を連れてきたのかすぐ見ることが出来るのですが、ねこちゃんは買い物かごに入っていたので、受付の人はわたしを見ても動物病院に用がある人ではなく、うっかり迷い込んだ外国人観光客か買い物客だと思ったらしい。

野良猫を拾って性別も年齢も不明だと伝えると、先生に頼んでみてもらうことに。3~4ヶ月のメスと判明。予防接種とかいろいろ相談したくて来たんだけれどと伝えると、受付の人が『健康そうだし大丈夫、狂犬病の予防接種しましょう。あと野良だったので虫下しをあげますね』と。受付の人は先生じゃないけど、ただの事務員ではなく助手も兼任の様子。なにしろ忙しそうで、健康そうなねこちゃんを連れてきてちょっと申し訳なくも感じてみたり…

受付のその場で捕まえといて!と頼まれ、ええっ??と戸惑っていると、もうひとりの方がこういう風に持つのよと、ねこちゃんの襟足を捕まえてぶら下げてぷすっと注射。あっという間の出来事でした。

ねこちゃんのワクチン手帳を下さり、虫下しの薬の飲ませ方を口頭でさらっと習い、その辺の紙をちぎって虫下しの薬を渡され、わたしのティンプー動物病院デビューは終了しました。う~ん、すごかった。
文庫本よりもちょっと小さなサイズのワクチン手帳

帰りに立ち寄った店でも、にゃーにゃーと聞こえるとみんなが『何が起こったの?』って顔できょろきょろ。『猫がいるの』と伝えると『なんで猫を買い物カゴに入れてるの?』と必ず聞かれ『予防接種するの』というと怪訝な顔。ブータンで猫は『ねずみ取りの為の居ると助かるもの』であって、ペットとして可愛がる対象ではないんだなぁと感じた一日でした。

2015年1月15日木曜日

瞑想について、ブータン仏教について思うこと。

3が日から出ていた出張から帰ってきても、まだ日帰り出張が続いている。なんとなく落ち着かないが今年はそういう星回りなんだろうか?

今週は3回も日帰り出張が入った。そのうちの一箇所、タンゴ僧院はティンプー市内から北へ車を1時間弱走らせて、そこから1時間半くらい山を登ったところにある寺院。

同僚がわたしのカメラで撮った写真。垂直をチョルテン(仏塔)で取るかダルシン(旗)でとるかで随分雰囲気変わりそう。
前回タンゴ僧院に行った時、寺院内部の急な勾配の伝統的なつくりの階段から足を滑らせ大変な思いをしたので、慎重に調査することに…今回は安全に帰宅出来てほっとしている。


さて。
実はこの寺院の上の方の一般人は入ることが出来ないエリアに僧侶たちの瞑想小屋が立ち並んでいる。ここではひとりの日本人の僧侶が3年間の瞑想をする為に先月から篭って生活をされている。彼とは2年位前にブータン人の僧侶を通して知り合ったのだけれど、まったくもって面白い考えの方で何度か話をする機会があったことはとても運が良かった。

面白い考えというのは、わたしの友人や知人の中に仏教や密教や霊的なことについて語る人がそう多くないのでそう感じただけで、会話をしていて笑わせてくれるような面白さではない。彼はこの3年間の瞑想期間中、基本的には師匠以外の他人に会うことはないそうだ。そこまでしないと仏に(?菩薩に?涅槃に?悟りに?)辿り着けないんだそうだ。なんでも極めるというのは大変だなぁと思う。

仕事柄、多くの修行をこなして立派に勉学を終えて高い地位にいる僧侶と話をする機会が多い。そういった方々はもちろん、瞑想の修行も何年もまた何回もいろいろな種類をこなされている。瞑想をして得られることとはいったい何なんだろうか。誰に何度話を聞いても『霞を食って生きていける仙人ってきっとこんな感じなんだろうなぁ』と思ってしまうわたしは、雑念だらけの一般人からいつまで経っても抜け出せないんだと思う。今のところは、抜け出す必要性も感じてはいないんだけれど。

ブータンでは珍しいのだが、一般人でも(僧侶でなくてもという意味)とある寺院で数日間、山に篭って週末瞑想的なことが出来ると聞いたのでやってみたいと申し出たことがある。師匠(偉い僧侶)はゾンカでの指導しか出来ないし、君はお祈りのための魂込めてもらってないから意味がないよとやんわりと断られた。なに?魂が入ってないと祈っても意味がないわけ?じゃぁ今までのは全部無駄なの?と重ねて聞くと、完全に無駄じゃないけれど中身はすかすかだよね…と。

祈りがすかすか…そんなこと聞いたこともなかった(笑)わたしの祈りは果汁5%くらいのジュースの薄さみたいなものなのだろうか…100%ジュースみたいに中身ぎっしりで美味しい仕上がりにするには外部から魂を入れてもらわないといけないようだ。どうせ祈りを捧げるならば、中身ぎっしりにしたいと欲張りに考えちゃうんだけれど、そういうのも物事に執着してるってことでよくないんだろうか?ブータン仏教ってハードル高いなぁ。

2015年1月12日月曜日

ねこちゃんとの生活。

狙われてる?
ペットと生活を共にするのは久しぶりだし、ねこちゃんを飼うのは初めて。かわいいけど緊張します。たぶん、ねこちゃんも今までと勝手が違うなって戸惑ってると思うけれど。

昔誰かにもらった薬用ノミ除け首輪をしてもらっています。ご飯はティンプーのお店で見付けたかりかりがメインです。

性別もわからないし、何歳ぐらいか(何ヶ月くらいか)もわからないし、病気のこととか予防接種のこととか。聞きたいことが山ほどあるので、週末に動物病院に連れてゆくつもりです。

かりかり発見のニュースをフェイスブックでしたところ、ティンプーではペットがペットフードを食べる時代なのか?とブータンを知る多くの日本人に驚かれました。そして、ブータンを知らない日本の友人たちはペットフードがあることに驚きを隠せないわたし達に驚いていました。

日本の両親からは『ひとり暮らしで飼うのは大変だったら、子猫のうちに貰い手を見つけるのがいいと思います』とアドバイスが…大変でも楽しいので一緒に生活したいと思います。いつか日本に帰るときにはつれて帰りたいという話は、猫が苦手な母の為にまだ伝えないつもりです。

2015年1月10日土曜日

ねこちゃんと大移動。


ねこちゃんと一緒に、ガサからティンプーまで帰ってきました。わたしをティンプーに送ってくれた後にひとりでガサまでの長距離ドライブすることになっちゃうお父さんを心配して、運転手さんの息子さんもついて来ていてくれました。

ドチュ・ラ峠は見事なくらいの青空で絶景の写真びよりでしたが、ねこちゃんと遊ぶのに忙しく次回に持ち越しです。

2015年1月8日木曜日

雪が降りました。

 

ガサで雪が降りました。綺麗な風景でしょう。この湖はゾンのすぐ裏手にあり、守り神が住んでいる聖なる湖です。

ガサではこれが初雪ではないので初雪休暇にはなりませんでした。これがティンプーだったら初雪休暇がもらえたかもしれないのにね。

2015年1月7日水曜日

ワチェン・ゾンの落慶法要。

 
縁あって、ウォンディ県にある寺院の落慶法要にお呼ばれしました。運悪く出張が重なってしまったために行けないかと危惧していたのですが、都合をつけることが出来参加することが出来たので嬉しい。出張先のガサからこの寺院まで片道3時間45分くらい。大半がラフロード(舗装されていない道路)決して楽ではない道のりなので、プロジェクトの運転手さんには頭が上がりません…
 
冬休み期間だということもあり地域の人びと、老若男女問わず集まり、また施主であるこの寺院の僧侶がとても信頼されている(信仰を集めている?)ので、地域の人々も改修が終わったことをとても喜んでいました。
 
地元の女性たちがこの地域の歌や踊りを披露してくれたのですが、今まで見たことのないような気がして、他の踊りを披露していた王立舞踏団の人たちに尋ねてみたところ、彼らも知らない歌と踊りだったようです。こういうことがあるので田舎に行くのは面白い。
 

花びらひらひら
 
寺院からは素晴らしい眺め。
この寺院は、台湾の人々の寄付を得て改修を完了しました。今ブータンでは外国の個人の方の金銭的援助を受けて改修などを行う寺院が少なくありません。信仰の部分でも援助を受けるのが当たり前になってきた今日、ブータン人の価値観は変わりつつあると感じています。

2015年1月5日月曜日

大きな法要、シプチデ。

行けないとは知りつつも、13年に一度しかやらない法要がすぐそこで行われているのに行けないのは残念すぎるので、プロジェクトの人達に興味があるなぁ~面白そうだなぁ~と言い続けていたら、彼らはわたしを言い訳に仕事を休むことを決めたようで『外国人の同僚が強請ってるから仕方ないよね。まぁ僕らも行くことが出来てラッキーだし』というスタイルで、行くことを許可してくれました。

そんななか、首都のオフィスから携帯にメッセージ『内務文化省の次官より、今回の法要は特別なものであるので行きたい人は行っても良いと許可が出ました』との事。さすがブータン、さすが内務文化省。というわけで、同僚たちと皆で仕事をサボる後ろめたさは感じることなく行けることに。

出張先のガサから法要が行われているプナカまでは車で片道3時間。自動車道路はあるけれど基本的にアスファルト舗装はされていない砂利道のみ。楽な旅ではないけれど、楽しいことの前では小さく些細な問題です。ここでも道路拡幅工事による通行止めがあるために朝の5時半に出発。

プナカに到着すると、警察やデスップ(軍隊のトレーニングを受けた人でオレンジのユニフォームの人々、王様直属のボランティア集団でいろいろなイベントで活躍しています)が皆の持ち物検査、誘導、案内などを行っていました。

いつも思うけど、かばんの中のなにをチェックしてるんだろうか?

つい数日前、タクツァン僧院登山中に外国人観光客の滑落事故があったこともあり、この法要では事故が起こらないようにと、4代・5代両国王陛下、そして中央宗教庁からじきじきにお達しがあったそうで、外国人や婦女子には特別な注意が払われていました。わたし個人でもデスップや警察の方々から度々『最後の瞬間は危険だから絶対に近づかないように』と注意を受けました。外国人には特に本人に、そしてガイドに、という念の押しよう。

前に置かれた人形、宝石や銀細工などで飾りつけられています。

周囲に置かれたお供え物、素敵なキラもありました。
みかんとか?見向きもされてなかったけれど、綺麗に飾りつけされていました。
お供えには家畜もあります、これも最後に頂いていいの。

運良く法要に参加することが出来たので、運良く何かを手にして護符に出来るかなと思っていましたが、一緒に来ている同僚たちやその家族もわたしが危なくないようにと目を光らせているし、そんなチャンスはなさそう。ブータンで怪我しても良いことはないし、一緒にふらふらしてくれる同僚の子供たちと大人しくしていることに。

そんななか子猫を発見、人混みでにゃーにゃー。危ないなぁと勝手に保護。飼い主を探してみたけれど見付からず、周囲の人には飼いたければ持って帰りなよ、でも放っておけば勝手に家に帰るよ、と言われたけれど犬も多くて心配で。人混みは混雑していて危ないしかわいすぎて手放せず、こんな日に猫ちゃんと出会うなんてこれって何かの縁じゃない?っていうか、このねこちゃんが護符なんじゃないの?と勝手に前向きに同居を検討。

そうこうしているうちに、群集から『わあっ』いう声がしてそちらに目を向けると砂埃が。あっという間にするすると柱を登っていく人が見え、これは近くで見なきゃ!とお目付け役(笑)の同僚の娘とねこちゃんを連れて安全な範囲で近づくことに。

真ん中に人がへばりついているのがわかりますか?
 
登れる人はほんのわずかで後は下でごそごそしてました。

興味はあるけれど、安全圏にいる人びと。わたしもそのうちのひとり。
 
破壊された人形の残骸。これひとつでも護符になるそう。でもこれが屋根裏とかに置かれてたらちょっと怖い。
 
護符をゲットしたおっちゃん。誇らしげで嬉しそうでした。
 
なんとも迫力があってすごかったです。みんなの興奮が伝わってきて楽しくて、写真を撮るよりも現状を見ているのが精一杯でした。今思うと、あれも撮ってない?これもすごかったのに!!ということばかり。写真には写っていないけれどおばちゃんたちもパワー全開でいろいろと獲得。やっぱりおばちゃんは世界どこでもすごいよね。

あの飾りもさることながら、そこで組まれたやぐらの部材(パネルや角材)なども持ち帰って良いそうで、そんなものを抱えた人も多くいてちょっとびっくり。

大興奮のうちに法要は終わり、ねこちゃんと共に出張先のガサへ帰宅しました。


その日の夜のニュースで、7歳の女の子がひとり死亡し怪我人が9人出たと知り驚きました。
http://www.bbs.bt/news/?p=35584

2015年1月3日土曜日

ガサに向かいます。

ある晴れた日のドチュ・ラ峠

お正月早々にお願いされた出張、ガサへ向かいます。ガサ・ゾン改修工事の担当をしているので、今年は度々ガサに行くことになるでしょう。今まで担当していたルンツェも田舎でしたがガサも相当に田舎です。普段生活している首都ティンプーの生活とは違うものが見れるので、仕事以外のこともとても楽しみです。

新年早々のドチュ・ラ峠では天気が崩れ新年早々曇り空、こんな青空は見えなかったのが残念でした。しかも1月1~5日まで、プナカで『シプチデ』という大きな法要がある関係で、この週末は道路拡幅工事による通行止めは行わないと言われていたのですが、何故か行われた通行止め。ひっ掛かった人たちとのお喋りによると、BBS(ブータン・ブロードキャスティング・サービス、ブータンの国営放送のテレビ)で通行止めをしないという案内を出していたそう。どうして行き違ってしまったのでしょう。まぁ時間は無駄になりましたが、いろいろな人とお喋りしたりして楽しい時間は過ごせました。

プナカで約束していた人とご飯を食べました。あぁ時間があったらもっとお喋りしたかったのに!美味しいご飯も手作りパンもご馳走さまでした!

プナカで行われる大きな法要、最終日がとてもエキサイトするらしいけれど出張先からは出掛けにくいので、一緒にガサに向かう同僚にお願いして寄ってもらうことに。すっごい迫力でした。

周囲の人々を見るとこの大きさがわかると思います
 
20メートルはあるんじゃないかという色とりどりの糸で組まれ美しく飾られた大きなデ。その前に飾られた王族やジェ・ケンポや王族や一般の人々を象り、衣装や宝石など煌びやかに飾り付けられた人形。周りに置かれている多くのお供え物(穀物や衣類など様々なもの)。
 
そこで会った僧侶に話を聞くとこの飾りの一番上に一番のお宝が安置されているらしい。そのお宝も周囲に置かれているものも最終日には持ち帰って良いそうで、それがエキサイトしすぎて奪い合いになり怪我人が出るということでした。ここから頂くものは全てが護符として機能し、霊的(悪霊など)にも物理的(泥棒や災害など)にも守ってくれるらしい。
 
ミーハーなので、そんなに素晴らしいモノならなにか欲しいな…とは思うものの、最終日には来れそうもないので無理そうです。

2015年1月1日木曜日

謹賀新年。

ダル・シンと呼ばれる祈りの籠められた旗
 

新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ブータンではブータン独自の暦(日本の旧暦に近いが一緒ではない)でお正月を祝うために、大晦日も元旦もただの平日です。街では一部のホテルやパーティ(ディスコのようなところ)でカウントダウンイベントが行われますが、特にお祝いムードはありません。

1月2日は冬至(Winter Solstice)で祝日です。ブータンの暦による冬至とグレゴリオ暦による冬至がどうして1週間近くもずれるのかということを、教えてもらったのですがうまく説明出来そうにありません。要は閏年のように調整しなくてはならない時間を調整せずにいるのでずれてきている、という事のようです。

2日が金曜日、そして政府機関は土日がお休み。お正月に運良く3連休になったので、年末に頂いた白菜と頂いた切り餅でのんびりとお正月気分を味わいたいな…なんて思っていたら、元旦に出勤した時に上司に突然『土曜日から出張に行ってほしい』とのお願い。

なんってこった、いろいろな予定もキャンセルしなくっちゃいけないじゃないか。今年もはじまりからばたばたのようです。